サハラマラソン挑戦までの1年でやったこと(前編:トレーニング編)

サハラマラソン挑戦までの1年でやったこと(前編:トレーニング編)

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この記事はnoteに掲載した記事を加筆修正したものです。 元記事をnoteで読む ↗

2024年3月1日に有馬温泉の練習会でサハラマラソンへの参加を決意してから、本番の2025年4月までは約1年間。

体力づくり、装備選び、資金の確保をする必要がありました。

サハラマラソンって何?という方はまずはこちらを御覧ください。

サハラマラソンは「マラソン」という名前こそついていますが、ジャンルとしてはレースが複数日にわたって開催される「アドベンチャーレース」というスポーツに分類されます。

走ることや体力的な準備は当然ですが、1日のレースが終わったあとに次の日のレース開始までのテントでの過ごし方も大事になります。

今回は前編・後編に分けてサハラマラソンの準備について書いてみることにしました。
前編としての今回は、レース未経験の自分が体力をどうつけていったかというテーマで書こうと思います。

装備品やテントでの生活については後編で。

サハラマラソンのためにはトレランをすること

まず最初は体力をつけるために、トレイルランニングを始めました。
サハラマラソンの練習会に参加したときに先輩たちから「トレイルランニングがいい」とことごとく言われたからです。

トレイルランニングが良い理由として、
①コースが勾配があること
②ご飯を食べるタイミングやエネルギー切れを防ぐ戦略が必要になること
この2つの点でトレランとサハラマラソンに共通点があるのだと思います。

トレイルランニングではコースの途中にエイドやチェックポイントが準備されており、補給食や水分が(サハラマラソンのチェックポイントでは水だけ)配給されます。
次のポイントまでをどのように進むか、1日の中でペース配分をどうするか考えるという共通点がありました。

Izu Trail Journey公式より。標高差とチェックポイントを回るのがサハラと似ています。

人生初めての野沢温泉でのトレイルラン

それまではトレイルランニングなんてやったことはもちろん、考えたことすらなかったのですが、まずは2024年7月に野沢温泉で開催される「The 4100D」という大会に申し込みました。

この大会にはコースが3つあり、14km, 37km, そして65kmと距離を選んで出場できます。
「まずは初心者だし14kmの参加かな」と思っていたところ、
サハラの先輩から「実はそれぞれのコースで必ずスタート地点に戻ってくるから”いつでもリタイアしやすい”」というアドバイスを貰い、無謀にも65kmにてエントリーしました。

参加を決めた以上、大会を目指しての準備や本格的な練習が必要になります。トレランシューズやグッズを購入したり、栄養補給について学んだりと準備が始まりました。

必携品として補給食やレインウェア、そしてフラスクを持てるようなリュックを買いました。

トレランシューズも持っていなかったので購入。コスパが良いという理由で選んだのですが、サハラマラソン本番もこちらで走りました。

ちなみに、前日の宿からサハラマラソンの参加者やOBとご一緒させてもらったのですが、先輩に「初めてだしリタイア前提かも」と弱音を吐いたら「野沢温泉を完走できないやつは何も成し遂げられない」というありがたいお言葉をいただきました。
「そんなマジか」と思いながらも「これがサハラ・・・!」と胸を打たれ、そのおかげで翌日のかなりの悪天候の中でも15時間ほどかけて完走できました。
何度もうだめかも?と思いながらも頭の中にフラッシュバックしたか数えられません(とはいえ本当に無理なときはすぐにリタイアするつもりでした)

大会の全体順位はは最後尾から数えて何人目か、という結果だったのですが、これがきっかけとなってサハラの人たちにも顔と名前を覚えてもらえるようになった良い思い出です。

塔ノ岳トレイル

トレイルランニングの練習のために何度か訪れたのは塔ノ岳のトレイルコースでした。丹沢にある片道13km程度で、都内からのアクセスもよくて気軽に行ける上に、アップダウンが激しくて良い練習コースとなりました。

だいたいトレイルの距離はロードの2倍(トレランの10kmはロードで20km)くらいで見積もれば良いことや、下り未知を下ることのの難しさを知りました。

オーバーナイトステージのための練習

サハラマラソンでは2日間かけて長距離を走る「オーバーナイト」と言われるステージがあります。
自分が参加した2025年はStage5が80kmのロングステージでした。

この日は明け方スタートし、翌朝にゴールするため、夜通しで進んでいきます。

準備としてヘッドライトの明かりを頼りに進む練習や、夜通し走る体力や眠気に慣れておく練習などがあります。
眠気対策として人によっては錠剤でカフェインを持っていったり、その効果を高めるためにカフェイン断ちをする人もいます。

自分はこの練習として有志による練習会や、神戸で開催されている六甲山を縦走する六甲キャノンボールという大会の夜のコースに参加したりしました。

なぜか自分が参加する練習は天気が悪いことが多く、野沢に続きここでも雨が降る中での開催となりました。

しかしまさかサハラマラソン本番でも夜に嵐となり、このときの経験が活きルトは思ってもいませんでした。人生、どんな経験が後々活きてくるかわかりません。

明け方に山小屋でコーヒーをもらったときの温かさとカフェインが染みました。

有志による練習会で実際の装備を確認

サハラマラソンのための有志による練習会がときどき開催されます。ぜひ気になる方はFacebookで検索してみてください。

トレランの公式な大会では規定があったりするので軽量な装備になってしまいますが、サハラマラソンでは7日分の食料を背負っての走行です。
本番と同じような装備を試す意味でも練習会は有意義でした。

重さを増すために砂や水を背負い、本番で使うリュックやトレッキングポールを使って本番と同じペースで進みます。

2025年のもの。オーバーナイトの練習は深夜に開始なので完全に不審者集団となります。

宿泊練習

また、練習会には宿泊を伴うものもありました。

2日にかけて走ることで(しかもテント泊)、翌日にどれだけ疲れが持ち越させるのかと、自分が他の人と一緒のテントでどれだけ寝ることができるのかを知る良い機会になりました。

ちなみにこの日も夜中に雨が降った。おかげであまり寝れなかった。

トレイルランに参加する

その他、練習として以下の大会に参加しました。
Island Trail Awajiはトレッキングポールが許可されている大会だったのでこれがサハラマラソン当日のためによい練習になりました。

Izu Trail Journeyはとても景色が素晴らしくて純粋に楽しかったです。
先輩ランナーと一緒に参加したのですが、他の人がどんな装備で行くのか、どういう戦略を立てるのかを知れるのが勉強になりました。


参加費用をどう集めるか

少し別の話になりますが、ここまでの装備や大会の参加、そして遠征のためにも費用がかかります。

サハラマラソンは参加費で70万程度、そして往復の渡航費で30万程度、100万円は必須でかかります。

加えて、ランニングのための装備品を揃えたり、このように遠征をするとさらに準備のためのお金が必要になってきます。(最終的には練習+装備で25万円くらいかかりました)

考えた結果、クラウドファンディングに挑戦することにしました。

クラウドファンディングの葛藤

多くの応援をいただ、今でとても感謝しています。

でも、実はクラウドファンディングに当たって葛藤があったのも事実です。

同じ年に参加した大学生は自分でバイトを掛け持ちして参加費を工面していましたし、「自分の道楽ぐらい自分のお金で出れば?」という意見もあるなと思いました。

実際に、自分が走ることが何の価値に繋がるんだろう?と悩みました。

「なぜ走りたい?」という根源的な思いがどこにあるんだろう?と自問自答したり、無理やり作ろうかなとも思ったのですが、いまいちしっくり来る言語化がなかったです。

しかし、自分の中で大きな挑戦であるということを他の人にちゃんと伝えたり、応援をしてもらえることで少しでも周りの人に影響を与えることができたら、と思いありのままを言語化して応援を募集しました。

そのころきに「サハラサバカ」というコンセプトを作り、未経験からサハラマラソンに行くなんて馬鹿じゃないか、という意味を込めて日々練習の様子や気づきを発信し、価値に繋げていこうとしました。

自分自身で価格をつけることやリターンとしての価値の準備も本当に初めてだったので不安だらけだったし、応援を集めるからには、ただもらうだけではなくてサハラマラソンで得たものや自分にできることはちゃんと返していきたいという思いもある中でのクラウドファンディングの開始。

結果として初めて応援メッセージを貰ったり、実際に支援いただいたときにはとても安心したし嬉しかったです。

挑戦するということがここまでプレッシャーがかかる作業だとは思わなかったので、ちゃんとここでもらった恩は別の挑戦者の人にも送っていかないといけないなと感じました。

ただ一つ、盲点だったポイントとしてここで支援を受けたことにより、自分の挑戦が自分だけの挑戦ではなくなってしまったという感覚がありました。

自分の趣味の範疇を超えて支援をもらったうえで行くことになったのでその重みがかかるようになりました。
完走したいと思ったし、完走しないといけないなという思いも当然出てきました。

より一層練習や装備にも手を抜かずにやるようにしました。

まとめ

ふりかえるとサハラマラソン参加のためにたくさん走ったなと改めて思います。

しかし終わってみて思うのは「サハラマラソンの練習はサハラ砂漠でしかできない」ということです。
砂漠の暑さや砂の感じは日本とは全然違うし、本番は練習とは違うイレギュラーがたくさん起きます。

実際に大会では、自分は後半はほぼ歩くように戦術を変えました。
だから、ここまでの練習が必要だったかと言われると少し過剰だった気もします。

それでも一つ一つ練習を積んで学んだことがあり、
大会本番中も雨が降れば「六甲キャノンボール」を思い出したり、
トレッキングポールを使えば「Island Trail Awaji」を思い出したり、
ロングランでの距離を見ると過去のレースのコースが思い出されました。
こうしたひとつひとつの経験があることは本番のメンタル面にも活きたと思います。

加えて、まだ経験したことがないサハラ砂漠に思いを馳せながら、不安と同時にワクワクを抱えながら本気で練習に参加できるという体験はレースがはじまるまでの特権だったなと思います。
すでにサハラ砂漠を走って感じを知ってしまった今は同じような気持ちでの練習は難しといと思います。

練習から本気でやったほうが、サハラマラソンを走るという体験を面白いものにしてくれます。

持ち物の準備は別の記事に続きます。

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