『楽園のカンヴァス』感想——絵画を知らなくても、ルソーの生涯が刺さる理由

『楽園のカンヴァス』感想——絵画を知らなくても、ルソーの生涯が刺さる理由

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絵画にほとんど縁がない状態で原田マハの『楽園のカンヴァス』を読みました。読み終わった後、ルソーの作品を実際に見てみたいと思いました。

あらすじ

主人公は2人。大原美術館で働く女性監視員・早川織絵と、ニューヨーク近代美術館のアシスタント・キュレーター、ティム・ブラウン。2人は伝説の絵画コレクター、コンラート・バイラーの自宅に招かれ、ニューヨーク近代美術館所蔵のルソーの作品「夢」にそっくりな絵と対面します。

課題は「これが真作か贋作かを判定すること」。手がかりとして渡されたのは、ルソーの生涯を記した一冊の古書。その文書は誰が書いたものなのか、絵の正体は何なのか。謎が謎を呼ぶ構成です。

感想

絵画は「作った人が何を考えていたか」を知っているかどうかで、見え方がまったく変わります。この本はそれを教えてくれました。

ルソーが生涯をかけて何を表現しようとしたのか、そしてその作品が時代を超えて後世の人にどう受け取られるのか。作者側の視点と、受け取る側の視点が交差する構造が面白かったです。

「作品の背景を知っているかどうかで感動が変わる」という感覚は読書にも似ています。事前知識がなくても楽しめますが、あるとより深く入れる。この本はその入口になりました。

謎解き形式でテンポが良く読みやすいので、アートに興味はあるが入口がわからないという人にもおすすめです。

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