【書評/あらすじ】『傲慢と善良』辻村深月を読んだ感想!
- 2021.08.22
- 小説

今回は、辻村深月さんの『傲慢と善良』を読みましたので、あらすじや感想・書評を書きたいと思います。
こちらはちょうど新社会人になり少し立った後、ちょうど結婚してはいないがもうそろそろしたいと思っている人におすすめの1冊です!
『傲慢と善良』辻村深月【あらすじ】
今回紹介する『傲慢と善良』はどのような物語なのでしょうか?
以下Amazonより引用して抜粋します。
婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。
その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。
生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。
2018年本屋大賞『かがみの孤城』の著者が贈る、圧倒的な”恋愛”小説。「人を好きになるってなんなんだろう」
「読み終わったあと、胸に迫るものがあった」
「生きていく中でのあらゆる悩みに答えてくれるような物語」「この小説で時に自分を見失い、葛藤しながら、何かを選び取ろうとする真実と架と共に私たちもまた、地続きの自由へと一歩を踏み出すのだ」
――鳥飼茜さん(漫画家)絶賛の声、続々。
Amazon.co.jpより
こちらの小説はミステリー×恋愛小説のような物語で、婚活アプリで出会い、結婚を間近に控えた婚約者「真実」がある日突然疾走するというもの。
主人公である「架」はその理由を突き止めていくとともに、彼女の過去にも迫っていきます。
『傲慢と善良』辻村深月【感想/書評】
現代の恋活・婚活模様がとてもリアルに描かれている
僕はこの本を読んだときに「婚活、恋活のリアルをとてもよく描いている」という感想を持ちました。
というのも、最近、周りでもアプリを使って恋愛をしたり、結婚したりする人が増えてきました。
僕自身も使ったことがあるのですが、やはり自然な出会いから始める恋愛とは違って、恋愛ありきで出会う出会いなので、それまでに経験したことがない感覚があります。
例えば、画面に出てくる「相手の女性を自分と釣り合うか?」という視点で選んでしまったり、「この人にはもっと自分よりもふさわしい人がいるのではないか?」と思うこともわりとよくあることです。
こういう感覚はアプリを使ったことがあるひとであれば共感することも多いのですが、アプリを使ったことがない人だと共感されるどころか、「アプリ使ってるの?」とちょっと引かれてしまうことさえありました。
しかし、この本の中ではそういったアプリを使った婚活の様子や、当事者たちの心情がとてもよく描かれていて見事だなあと思いました。
心情だけでなく結婚にまつわる周囲の反応も見事に描かれていて、例えば地方に住んでいる両親が子供をかまってあげたくなる様子や、結婚するときになったときの周囲の反応などもとてもリアルに書かれていました。
『傲慢と善良』辻村深月を読んで考えたこと【ネタバレあり】
ここからはネタバレを含みますので、ご注意ください。
その上で考えたことを書いていきます。
最後の結末の意味について
物語の最後で架と真実の2人だけで挙式をあげます。
これだけを見ると、今回の物語からのメッセージは「結婚は二人のもので、周囲は関係がない」と捉えることができる?と思いました。
仙台の地でのボランティアって真実にとってどんな意味があったのか? 初めて自分で決めたことで、「自己効力感」を得た?
結婚は二人のものでも、結婚生活は二人のものではないんよな
架と真実がこの物語のタイトルを象徴している
真実の欠点:嘘が下手なこと 善良だから嘘がつけない
架の欠点:決断ができないこと 傲慢さが邪魔をする
善良だから嘘がつけない
僕たちはどう生きるか
自分は親から進路も何もかも任されて、それで「将来のことなんて何もわからないのになんて無茶な」って泣くほど悩んだ記憶があるけど、今ではありがたい。これは自分の子供にもそうしたい
決断経験値を積ませて、自分の人生に責任を追わせてあげることだいじかもね
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