森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』感想——小学生の論理的思考と透明な恋心

森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』感想——小学生の論理的思考と透明な恋心

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森見登美彦さんの作品は『四畳半神話大系』(アニメで)と『恋文の技術』で知っていました。特に京都を舞台にした作品が好きで、今回は代表作のひとつを読みました。

本書について

主人公はアオヤマ君という科学好きの小学生です。彼が同じ街の歯科医院で働く謎だらけのお姉さんの謎を解こうとしながら大人になっていく物語です。

アオヤマ君のキャラクターが特に面白かったです。論理的・客観的に考え、わからないことは徹底的に調べ実験します。理系の大学院生だった自分が顔負けになるくらいの思考の精度で、小学生とは信じられません。

一方で、コーヒーを苦手と思うところやお姉さんとの付き合い方はまだまだ子どもで、その落差が物語の面白さになっています。

印象に残ったこと

森見さんは理系男子の心を掴む書き方が上手だと思います。年上の女性から優しくしてもらったり気にかけてもらったりする経験は、多くの男性に共通する原体験があると思います。このお姉さんはまさにそういう存在で、登場するたびに「きゅん」とさせられます。

小学生が年上に抱く憧れの中には、大人の恋愛にはない透明感があります。「大きくなったら結婚しようよ」という無邪気な言葉と、現実的な意味を帯びた「結婚」とは違う、子供時代だけの純粋な感情がこの物語には詰まっていました。

映画化もされていますが、個人的には小説の方がおすすめです。

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