観光では見えなかった、バルセロナに住んで最初の数日で気づいた日本との小さな違い
バルセロナに住んで1週間くらいで気づいたことを書きます。観光客だったころには見えていなかった、暮らしの手触りにある小さな違いです。大きな制度の話ではなく、歩いていてふと気づくくらいのことばかりです。
ざっと並べると、こんな具合でした。
- 赤信号でも、車が来なければみんな渡る
- ゴミは道路に置かれた大きなコンテナに入れる
- 空気が少しだけ汚い(紙タバコと排気ガス)
- とにかく乾燥する
- 夏は夜の22時まで明るい
- 机もバスも欧州サイズで、身体が楽
- ATMに日本語表示があった
- スポーツ用品店もホームセンターも、普通にある
- シャンプーも食材も、棚の表示がスペイン語
ひとつずつ書いていきます。
街のルールが、少しずつ違う
最初に戸惑ったのが信号でした。赤信号でも、車が来ていなければ、現地の人はためらいなく渡っていきます。最初は自分だけ取り残されて律儀に待っていましたが、数日で「車が来ないなら渡ってよい」という空気に馴染んでいきました。スペインでは横断歩道のない場所での横断が法律上禁止されているのとは裏腹に、信号遵守については比較的緩やかな文化があるようです。
ゴミ出しも違いました。日本のように曜日ごとに玄関先へ出すのではなく、道路に設置された大きなコンテナへ自分のタイミングで入れていく方式です。決められた日の朝に間に合わせる、という縛りがないぶん、生活のリズムは少し自由になりました。
空気と乾燥は、身体で感じる違い
歩いていて「空気が少し汚いかもしれない」と感じました。紙タバコを吸っている人がとても多く、それに排気ガスが混じっているのだと思います。屋外の喫煙が日本より目につくのは、最初の数日で受けた印象のひとつでした。
あとで調べてみると、スペインでは2011年に反喫煙法(Ley 42/2010)が強化され、バーやレストランを含む屋内の公共空間が全面禁煙になっていました。屋内で吸えないぶん、喫煙が屋外にあふれる——街なかでタバコの煙が目につくのは、その裏返しなのだと納得しました。

【今月のお題】 知っておきたいスペイン禁煙&喫煙事情
老若男女問わず、タバコを吸う人が多いイメージのスペインで禁煙法が施行されたのは、2006年のこと。
もうひとつ身体で感じたのが乾燥です。日本を発つ前に「もう使わないだろう」とハンドクリームを処分してきたのに、こちらに着いてすぐ買い直すか迷いました。
夜22時まで明るい
いちばんの差分として感じたのが日照です。仕事を終えた20時でもまだ昼間のように明るく、22時近くになってようやく日が沈みます。最初の数日は、夜になっても電気をつける必要すらありませんでした。
これは緯度の問題だけでなく、スペインが地理的な位置よりも東寄りの時間帯(中央ヨーロッパ時間)を採用していることも関係しているようです。おかげで一日がとても長く感じられ、仕事のあとに外で過ごす時間が自然と増えました。この「明るい夜」をどう過ごしているかは、別の記事で詳しく触れます。
amaino.me/blog/barcelona-remote-work-day
家具や設備のサイズが、身体に合う
これは移住して初めて気づいた、地味だけれど大きな違いでした。机もバスの座席も欧州仕様の大きさで作られているので、身長の高い自分にはとても快適なのです。カフェのテーブルに脚が窮屈に収まらない、という日本での小さなストレスが、こちらでは消えていました。
身体に合うサイズの家具や設備に囲まれて暮らすのは、毎日のことなので地味に効いてきます。
「ないと思っていたもの」が、普通にある
移住前は、生活まわりのものを日本から持ち込まないと困るのではないかと身構えていました。実際には、その心配の多くは杞憂でした。
ATMには日本語表示があるものがあり、最初の現金引き出しはあっけなく済みました。スポーツ用品店もホームセンターも普通にあって、必要なものはたいてい現地で買えます。アジア系のレストランや食材店に行けば、日本食もきちんと手に入りました。「足りなければ現地で買えばいい」という感覚は、移住のハードルをだいぶ下げてくれます。
ただ、棚の表示は読めない
一方で、現地で買えるからといって、すんなり買えるわけではありませんでした。シャンプーひとつ選ぶにも、棚の表示がスペイン語だけだと、それがシャンプーなのかコンディショナーなのかすら確信が持てません。食材も同じで、パッケージを翻訳アプリにかざしながらの買い物になりました。
「ものは現地にある。けれど言葉が分からないと選べない」——この壁は、暮らしのいろいろな場面で顔を出します。海外に住んでみようと思ったとき、言語の問題をどう乗り越えるかは多くの人が気になるところではないでしょうか。言語については別の記事であらためて書きます。

シャンプーすら選べない — 移住して痛感した言語の壁と、それでも前向きな理由
スペイン・バルセロナへ移住して、いちばん身に染みたのが言語の壁でした。シャンプーひとつ選べず、現地のコミュニティにも入りづらい。それでも、すぐ使える環境にいると学ぶ意欲は自然と湧いてきます。移住直後のリアルな語学事情を書きました。
まとめ
旅行のときには気づけなかった、暮らしの細部の違い。ひとつひとつは小さくても、積み重なると「ここで生きている」という実感になっていきます。いろいろな違いがあって、面白いなと思っています。その違いを楽しいと思えるくらいには、バルセロナはいい街なのかもしれない——というのが、住んでみて1週間の、いまの正直な感想です。
次は、その暮らしを支える食と物価の話を書きます。

ランチは2,000円、ワインは600円 — バルセロナの食と物価で感じた高い・安いのギャップ
バルセロナは物価が高いとよく言われます。実際に暮らしてみると、外食は確かに高い一方で、ワインや自炊は驚くほど安く、項目によって高い・安いがはっきり分かれていました。移住して最初の食まわりのリアルと、食費を抑える工夫を書きました。
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