なぜエンジニアはデジタルノマドを選ぶのか

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2025年、自分はサハラ砂漠を7日間かけて250km走りました。

8kgのザックひとつで砂漠を横断しながら思ったのは、「人間、本当に必要なものはこれだけなんだな」ということでした。

帰国後、東京のマンションに積み上げられた荷物を見て、違和感が消えませんでした。そして気づいたのです。自分が本当に欲しいのは モノではなく、場所の自由 だったのだと。

「どこでも生きていける」という確信

サハラマラソンでは、世界中から集まったランナーと7日間を過ごします。フランス人の医師、イギリス人の経営者、モロッコのガイド。言葉も文化も違う人たちと、砂漠という極限環境で助け合いながら走ります。

その経験を通じて、 「どこにいても、自分のスキルと意志があれば生きていける」 と心の底から思えるようになりました。

エンジニアという職業は、その確信をさらに強くしてくれます。ノートPC1台とインターネット接続があれば、東京でもバルセロナでもダナンでも、同じクオリティの仕事ができます。

デジタルノマドとは何か

デジタルノマドとは、特定のオフィスや場所に縛られず、デジタルツールを使って仕事をしながら生活拠点を移動する働き方のことです。

リモートワークとの違いは「定住しない」点にあります。リモートワークは自宅やコワーキングスペースなど、固定の場所から働きます。デジタルノマドは、 生活拠点そのものを自由に選び、移動します

近年、この働き方が加速している理由は3つあります。

  1. コロナ後のリモートワーク普及 — 企業がリモートを受け入れる土壌ができた
  2. デジタルノマドビザの拡大 — スペイン、ポルトガル、タイなど40カ国以上が専用ビザを整備
  3. 生活コストの最適化 — 東京の家賃でバルセロナなら広い部屋に住める

エンジニアがノマドに向いている理由

エンジニアは、デジタルノマドに最も適した職種のひとつだと思います。

スキルの可搬性が高い。Ruby、React、TypeScript——プログラミング言語は世界共通です。日本の企業と契約したまま、海外で開発作業を行うことに技術的な障壁はほとんどありません。

成果物が明確。エンジニアの仕事はコードという形で成果が見えます。「9時〜18時にオフィスにいること」ではなく、「動くプロダクトを届けること」で評価されます。場所を問わない働き方と相性がいいです。

需要が場所を超える。日本のIT人材不足は深刻です。フリーランスエンジニアの需要は高く、リモート案件は増え続けています。海外にいても仕事には困りません。

自分自身、現在はフリーランスとして複数の企業と契約しています。開発業務、AI研修講師、個人プロジェクト。すべてリモートで完結しています。

なぜスペインなのか

「ノマドするならどこでも行ける」のは事実ですが、自分が最初の拠点としてスペイン・バルセロナを選んだ理由があります。

デジタルノマドビザが整っている。スペインは2023年にデジタルノマドビザ制度を導入しました。月収2,300ユーロ以上の証明があれば、最長5年の滞在許可が得られます。配偶者の同行も可能です。

生活コストが合理的。バルセロナの家賃は東京都心部の7〜8割程度です。食事は安くて美味しく、地中海性気候で年間を通じて過ごしやすいです。

2023年の原体験。実は2023年の夏にヨーロッパをひとり旅した際、バルセロナに2週間滞在しました。旧市街のカフェでコードを書きながら、「ここに住みたい」と素直に思いました。スペイン語を学ぶ楽しさも知りました。

頭で考えた理由よりも、 「ここにいたい」という身体の感覚 を信じることにしました。

10年後のビジョン

2035年、40歳の自分はこんな生活を送っていたいです。

  • バルセロナの旧市街に家がある
  • ベトナム・ダナンにも拠点がある
  • 3ヶ月ごとに住む場所が変わる
  • 毎月1回は海外に行く
  • 週15時間の労働で、好きなプロジェクトだけに関わっている

「壮大な夢」に聞こえるかもしれません。でも、サハラ砂漠250kmを走り切れた人間が言うのですから、少しは信じてもらえると思います。

「気になる」を逃さなければ、人生は勝手につながっていきます。

サハラマラソンだって、最初は「面白そう」から始まりました。ノマドも同じです。

次回は、リモートワーク2年目のリアルなメリット・デメリットについて書きます。理想だけでなく、実際にぶつかった壁も正直に共有します。


この記事は「ノマドエンジニアの軌跡」シリーズの第1回です。デジタルノマド・スペイン移住への道のりを、準備段階からリアルタイムで連載していきます。

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