マーティン・プフナー『物語創世』感想——文学という視点で見た人類史
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書籍
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「サピエンス全史の次はこれを読め」というタイトルに引かれて手に取りました。著者のマーティン・プフナーさんはハーバード大学の文学者・哲学者で、これまでの歴史が出来事ばかりを抽出しており「文学」という視点がないことを問題視したことから書かれた本です。
本書に書かれていること
文学の歴史・印刷技術・歴史と文学の相互作用という、文学者ならではの視点で見た人類史が書かれています。印象的な内容をいくつか挙げます。
- アレキサンドロス大王はギルガメッシュ叙事詩を愛読していた
- ブッダ・孔子・ソクラテス・イエスは自分でテキストを残していない(解釈が変わることを恐れたと考えられる)
- 紫式部は漢詩を学べなかったため、かな文字の文学を作り源氏物語に宮廷の様子を投影した
- グーテンベルクの印刷技術によって聖書が大量印刷され、文字が巨大な力を持つようになった
- 共産党宣言は世界で最も力を持ったテキストとされている
- ベンジャミン・フランクリンはメディア起業家として新聞を広め、アメリカ独立の機運を高めた
読んで感じたこと
文学という切り口で人類史を見直すと、テキストが単なる記録ではなく、帝国を動かし革命を起こしてきた力を持つものだということがわかります。「人は物語を通して世界を見ている」という主張が、具体的な事例によって裏付けられている本です。
ボリュームがある本なので、歴史や文学に興味がある人向けです。
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