【感想】木下是雄『理科系の作文技術』の感想や内容の要約まとめ!理系に限らず、あらゆる作文の教科書!

【感想】木下是雄『理科系の作文技術』の感想や内容の要約まとめ!理系に限らず、あらゆる作文の教科書!

みなさんはどれくらい文章を書きますか?大学生ならレポートや論文、社会人でも報告書や資料など、ふだんから文章を書く人は多いんじゃないかなと思います。

でも、いきなり「文章を書け!」と言われてもどうすれば良いのかわからないですよね。今日はそんな人におすすめの1冊、『理科系の作文技術』を紹介します。

「理科系の」とありますが、つまりは論理的な文章を書くために必要なことがまとまっています。
文章力はあらゆる方面に生かせるスキルなので、ぜひ読んでみることをおすすめします!

特に、エンジニアとして就職するとチャットや文章で技術的なコミュニケーションを取ることも多いです。ぜひ、こちらの本を読んで文章力を身に着けてみてください。

理科系の作文技術 (中公新書 624)

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木下 是雄
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『理科系の作文技術』の内容は?

『理科系の作文技術』の作者は木下是雄さんという人です。
東京大学卒で学習院大学学長も務められた物理学者さん。

『理科系の作文技術』は1981年の発売以来、累計100万部を突破するベストセラーです。

海外の大学では「文章の書き方」の授業があったり、教科書があったりするらしいのですが、日本ではないからと、ご自身で執筆されました。

この本のメッセージはすごく簡単で、以下のようになります。
文書を書く際に大事なのは

  • 「簡潔」かつ「正確」な文章を書くこと
  • 事実と意見を分けること

であるということです。

『理科系の作文技術』の内容要約まとめ

さて、それでは内容をまとめてみます。

序章

文章には大きく2つの種類があります。
ひとつは自分が読むもの、そしてもうひとつは他人が読むものです。

自分が読むもの、例えば日記などは自由に書いてもいいのですが、他人が読むものに関しては気をつけるべきことがあります。

  • 事実と意見をわけること
  • 簡潔な文章を書くこと

文章を書く上で大切なのでは「他の人が自分の伝えたいことを短時間で理解すること」です。
そのためには、「あなたが何をみて何を考えたのか」を事実と解釈でわけて考える必要があります。

また、最近ではたくさんの文章が書かれています。
読み手が疲れないためにも、なるべく短時間で読める文章を書くことが大事です。

ちなみに、アメリカでは文章の書き方のクラスがあるようです。
日本では国語でそのような時間はありますが、あまりしっかりしている印象はありませんね。

準備作業(立案)

文章を書くにあたって、まずは準備作業が必要になります。
最初にすることは文章の役割・目的を明らかにすること。
その役割や目的に従って、文章の量や読者を考えます。

この本でおすすめされているのは、まず文の最初に目的を書いてしまうことです。
「この文章は、『理科系の作文技術』という本に興味を持っている読者に対して、その内容やよさをわかりやすく伝えるものである」例えばみなさんが今読んでくださっている、このブログ記事であればこんな感じになりますね。

そして、次に考えるのは「何を書こうか」というポイントです。
筆者のおすすめとしては、「自分が「なま」で得た情報」です。

これがある方が文章にオリジナリティが出る、と書かれています。
そして自分がなまで感じた情報を引き出せるように、日常からメモを取っておくことがいいよ、というアドバイスもあります。

文章の組み立て

文章の基本は2種類あります。

  • 日本語の文章の基本となる起承転結
  • 最初に結論を述べてから論をすすめる序論・本論・結論も多い。

などです。目的に応じて構成を考えましょう。

その他注意として、

  • リード文や抄録などで頭を重くする。
  • 序論の役割はその文書が読むべきかどうかを判断させる材料たることと、必要な事前情報を提供すること
  • 結論までしっかり書いて尻切れトンボにならないことが望ましい。

などが紹介されています。

パラグラフ

パラグラフ、つまり段落についてです。
長い文章はパラグラフに区切ることでわかりやすくなります。

ではどのように区切ればよいのか?
文章をトピックごとに区切ります。
そしてそれぞれのパラグラフではトピックセンテンスとよぶ、そのトピックについてもっとも重要な、伝えたい文章を入れます。
通常トピックセンテンスは文頭にありますが、文頭でなくてもいいです。

あとはこのトピックを連結させていくように段落を構成していきます。

文の構造と文章の流れ

  • 文章は、論理構造上幹を中心に枝に行くのが望ましい。
  • 日本語は前から修飾することが多いのでその構造を取りにくい。
  • 枝から幹に行きがちであるが、頭から読んで1つの筋となって理解しやすいものが良い。

はっきり言い切る姿勢

もしも「書く」のであれば、自分の主張や考えを明言すべきで、あいまいな表現は使うべきでありません。

事実と意見

  • 何が事実で何が意見なのかをはっきりせる

このブログで言うと、要約では本にかかれていた内容を紹介し、その後の感想の部分で僕が感じたことを書いています。
あるいは今も「何が事実で何が意見なのかをはっきりせる」というのは本に書かれていた事実で、今この文では僕の解釈を書いています。

  • 断定や、データを使うことで事実を示し、主語や動詞を使って意見であることを明示する。

例えば、以下のような文ですね。
「猫は動物である。私は、それをかわいい動物であると思う。

わかりやすく簡潔な表現

  • 文は短くし、誤解がない表現を使う。
  • 主語や述語、修飾は正しい文法を使い、記号を的確に使う。
  • 漢字かなの割合にも気をつける

執筆メモ

  • 原稿用紙の正しい使い方
  • 辞書を隣に置いて言葉の使い方が間違っていないか確かめる。
  • 単位系や引用、図や記号なども正しく。

手紙・説明書・原著論文

  • 手紙には必要な情報を乗せる
  • 説明書はユーザーの行動を想像しながら書く
  • 原著論文は、各情報をきちんと整理し、準備した上で書き始める。

学会講演の要領

  • 原稿を作って、それを読むのではなく話す。
  • スライドの作り方

と、ポイントをここまで上げてみました!

『理科系の作文技術』を読んだ感想

『理科系の作文技術』を読んで、何か新しい文法知識は得られませんでした。
ですが、文法や文章を書く時の技術がまとまったとてもいい本だなと思いました!

基本的な文章の書き方はどんな文章を書く上でも応用ができます。
この本は理科系関係なく、あらゆる文章を書く人が参考にできると思います。

そして、社会において文章を書かない人はいないと思うのです。
何かを伝える上で必ず必要になるのが、ことば。

情報量が増える社会ではなるべく少ない言葉で正確にものごとを伝える必要がありますよね。
そんなときにこの本を読んでおくのと置かないのでは違うと思いました!

『理科系の作文技術』の活かし方

以下に、理科系の作文技術の活かし方を3つ紹介して終わりたいと思います。

論文作成に活かす

理科系の人は、大学で論文を書くと思います。
その時に、この本は大きな助けとなってくれるはずです。

レポート作成に活かす

大学生は講義でよくレポートを書きますよね。
僕は、よくレポートの書き方を質問されたりします。
内容の書き方はともかく、文章の書き方を学ぶには本書は十分だと思います。

事実と意見を分ける

普段書く文章の中で、どこまでが事実で、どこからが意見なのかを意識してみましょう。
これだけで、だいぶ相手に伝わりやすい文章が書けるとともに、論理構造もしっかりするので簡潔な文章になると思います。

まとめ

文章の書き方、とくに「正確に伝える」文章の書き方について学べたいい本でした。

ぜひ、読んでみてください。

理科系の作文技術(リフロー版) (中公新書)

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合わせて読みたい

他にも、僕はこれまでブログを書いてきたこともあって、文章に関する本はたくさん読んできました。

それらの本をおすすめしておきます。

まずはメンタリストDaiGoさんの『人を操る禁断の文章力』です。
理科系の作文技術のような、性格な文章を書方法というよりも「どうすれば人の心に刺さる文章が書けるか?」ということが書かれています。
書く内容の決め方から、書き方まで総合的な1冊だと思います。
まずはこちらを読んでみるのがよいと思います。

人を操る禁断の文章術

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メンタリストDaiGo
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SEOなどを意識したメディアを作りたい方には『沈黙のWEBライティング』がおすすめです。
読んでもらえるメディアを作るために意識することが紹介されています。
マンガ形式なので、分厚いですが読みやすいです。

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僕がブログを書く際に参考にしたのは『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』という本でした。
書きたい内容の整理から、それを伝えるためのフォーマットまで、最近のSNSやブログという中での1冊でした。

何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術

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山口拓朗
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その他、『武器としての書く技術』、『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』なども読んできましたので、もし興味あればチェックしてみてくださいね。

武器としての書く技術 (中経出版)

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