【書評】『希望の国のエクソダス』(村上龍)を読んだ感想。あなたは日本の未来に希望を感じていますか?

【書評】『希望の国のエクソダス』(村上龍)を読んだ感想。あなたは日本の未来に希望を感じていますか?

ご覧いただきありがとうございます!
こんにちは!!読書が大好き、あまねです(^^)

今回紹介するのは村上龍『希望の国のエクソダス』です。
みなさんは今の日本についてどう感じていますか?
また、日本人の特性ってどんなことがあるんでしょうか?

それぞれ色々な特性が思い浮かぶかと思いますが、なかなか言葉にするのが難しいですよね。
ところが、この『希望の国のエクソダス』では日本人の特性、社会の特性がまじまじと表されているんです。

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それでは本文です。

『希望の国のエクソダス』の内容

僕がこの『希望の国のエクソダス』を読もうとしたきっかけは、起業家の家入真一さん(@hbkr)のツイートがきっかけでした。

僕は今、これからの生き方を色々考えています。
その中で「起業」というのは1つのキーワードになってくると感じているので、読んでみることにしました。

『希望の国のエクソダス』の主人公はフリーの記者である関口。
ある日、CNNで放送されたパキスタンで日本を捨てた少年が映し出されます。
それをきっかけに日本では中学生の集団不登校が始まっていくのです。
関口はその様子を見ながら日本という国の現状を目の前に突きつけられることになります。
そして、中学生たちはインターネットを駆使して自分たちで組織をつくります。
果たしてその先の日本はどんな世界が待っているのか、そんなお話です。

『希望の国のエクソダス』の読みどころ

ありのままに描かれる日本の現状

『希望の国のエクソダス』は小説でありながら、実際の社会問題である高齢化やメディアの問題なども取り上げています。
小説を読んでいるなかであらためて日本という国の現状を知ることができるのです。

例えば、世の中にいる大人を『希望の国のエクソダス』では以下のように表していたり、

居酒屋で群れているサラリーマンを見てください。彼らにしかわからない貧弱な言葉で、群れの中で笑い、群れのなかで叫ぶだけです。個人として対面すると何も話せない。 p227

日本の政府の対応について主人公の同僚は以下のような指摘をしたり、

どうして俺たちの政府には度胸がないんだろう。一兆ドルくらい集めないと意味がないよ、こういうときは。どうして中途半端な手数で済まそうとするのだろう。 p294

こうした今の日本の姿が(多少のフィクションはあるのですが)現れていました。

中学生たちへの共感

そしてそんな日本で教育を受けていた中学生たちがある日突然集団不登校を起こすのです。

彼らの主張は、以下のようなものです。

学校では、どういう人間になればいいのかわからなくなるばかりで。勉強しろ、いい高校に、いい大学に、いい会社に、いい職業に、ってバカみたいにそればっかり。p312

ここには僕も共感する部分が大きい。
最近、よく「個性」という言葉をききます。
脱・画一化といった言葉を大学生の間では耳にします。
きっと、登場する中学生と同じような思いをもっているのでしょう。
でも、この小説が書かれたのは今から20年ほど前のことです。
それなのに、今の大学生である僕は同じようなことを思っているということは日本の教育はあまり変わっていないということなのでしょうか。

そして、さらに自分たちでビジネスを始めた中学生たちのこんな言葉もあります。

授業に受ける必要もないし、受験勉強をすることもなく、家庭からも自由になって、その膨大な時間をすべて自分たちがやりたいことのために使っている。 p208

もちろん、僕はみんながみんなそうしろという気は全くありませんが、勉強したくなかったり、みんなと同じ学校に生きたくない子にも選択の自由はあっても良いのだろうとは思っています。

そういった中学生たちの思いも読みどころの1つです。

テクノロジーの発展による破壊

『希望の国のエクソダス』の中で中学生たちはインターネットでビジネスを初めていきます。
それまでの大人が全く使ったことがない新しいものを使っていくのです。

そしていつのまにか大人たちの常識、例えば上下関係のマナーとか、オフィスを構える、そういった「常識」がない組織を作ります。
インターネットという新しいテクノロジーの登場で中学生でも世界をかえることができるようになったのですね。

このテクノロジーによる常識の破壊はすでに起こっているように思います。
インターネットのテレビ会議があれば部屋のどこに座るかという話はあまり意味をなさなくなってくるし、チャットが浸透すればメールの雛形などはいらないくなりますよね。

こうした破壊がどのように起こっていくか、というポイントは読みどころです。

『希望の国のエクソダス』を読んでの僕の感想

僕は『希望の国のエクソダス』を読んで結構ショックを受けました。

大学4年生になり就活も終え、少し世の中が見えている状況でした。
少しずつ社会の構造も掴みかけていたときに、この『希望の国のエクソダス』で一気に日本を俯瞰させられてしまいました。
日本のメディアによる統制と、同調圧力みたいなものの中で生活していたのだと実感したからです。

あと、大人は自分より下の人に見下されたり、負けたりするのは嫌ですよね。
実際にそれは僕もそうです。
でも、新しいテクノロジーがたくさん生み出されている現在においては若い人の方がそれを使いこなすのが上手なところがあります。
そういった人たちを見くびっているといつか足元を救われることもあるかもしれません。
下の世代から学ぶことも多い、そう感じました。

そして、この本には「日本の希望」について書かれていますが、単純にこの本の中で書かれていた日本はとても窮屈に感じました。
出れば、さされ、集団の中で共通のことを無視すればはじかれます。
島国の外ではもっと大事なことが起きていても、日本人は内側に目をむけて安心している。
外を向けばもっと広い広がっているのに、そう感じました。

『希望の国のエクソダス』をおすすめする人、しない人

『希望の国のエクソダス』をおすすめする人

  • 若い人
  • 小学校中学校高校の教育に少し違和感を感じた人
  • 今の日本にどことなく生きづらさを感じている人

『希望の国のエクソダス』をおすすめしない人

  • 馴れ合い文化が好きな人
  • みんなと同じ生き方をしたいと思っている人
  • 波風を立てるのが嫌いな人

以上、『希望の国のエクソダス』を読んだ感想でした。

興味がある方、ぜひ、読んでみてください。