【書評】ドグラ・マグラ(夢野久作)を読んだ感想!果たして気が狂うのか?読書家の僕が検証してみた。

【書評】ドグラ・マグラ(夢野久作)を読んだ感想!果たして気が狂うのか?読書家の僕が検証してみた。

ご覧いただきありがとうございます!
こんにちは!!金沢で学生をしています、あまね(@isaka122)です!

こんにちは!今回は『ドグラ・マグラ』という本を紹介します。
『ドグラ・マグラ』というのは小説なのですが、みなさんは聞いたことがありますか?

なんと、その帯書きには「読むと気が狂う」と書かれていたそうなんです。
果たして本当に気が狂ってしまうのでしょうか?

今回はそれを検証してみました。

『ドグラ・・マグラ』のあらすじ

さて、『ドグラ・マグラ』とはどんな内容の話なのかを簡単に説明したいと想います。

まず、この物語の主人公の青年なのですが、名前が定かではありません。
ある部屋で目を覚ますのですが、自分に関する一切の記憶がないのです。
彼の正体は一体誰なのか?というのがこの物語の大きなテーマの1つとなっています。

彼が目を覚ますと、部屋に入ってきたのは九州帝国大学の若林博士という男。
若林博士は主人公の身の上に関する話を始めます。
青年はある精神医療の実験に参加していました。

その実験は「青年が記憶を取り戻す」ということを目的としていたのです。
ところが、その実験を担当していたのは若林博士ではなく、別の博士なのです。

さらに驚くべきなのは、本来彼の実験を担当していたその博士は実験を終える前に自殺していたのです。

若林博士はさらに実験にまつわる怪事件を青年に説明していくのでした…。

青年は「いったい自分は何者なのか」という問を持ちながらその実験の背景を、真相を追求していくのでした。

『ドクラ・マグラ』の特徴

僕が考える『ドグラ・マグラ』の特徴は3つです。

読み応えがある

まずは、とにかく内容が濃いこと。
なかなかハードな一冊でした。

世の中にはページ数はたくさんあっても結末を読んでがっかりするような本もあります。
でも、今回の『ドグラ・マグラ』は違います。
量を読んだ分だけ読みがいがありました。

かつてない読書体験ができる

後でも書きますが、この本のような読書体験ができる本は他にはあまりありません。
「自分」「社会」あるいは「時間」、そういった僕たちが普段当たり前に感じている概念の感覚がまったくない世界を見せてくれます。
これが奇書と呼ばれるゆえんなのではないでしょうか。

とてもよく練られたストーリー

『ドグラ・マグラ』ですが、作者の夢野久作は構想から執筆まで10年の年月をかけたそうです。

それだけあって、とても見事なストーリーになっています。

トリックやしかけが満載で、読んでいても思わず混乱させられつつもしっかりと筋が通っている。
読み終わって、「いったいどうしたらこんな物語が書けるんだ」と思わずびっくりしてしまうストーリーです。
なかなか常人ではここまでの内容は書けません。

『ドグラ・マグラ』を読んだ感想

まず読み終わったあとの感覚はたったひとこと、「すさまじかった」でした

物語が壮大、複雑過ぎて「言葉にできない」、なんとも言い表せない感じがしました。
まるで本を読みながら数時間でたくさんの世界を旅してきたような感覚

先程も書きましたが、この物語で主人公は記憶を失った状態で目を覚まします。
その青年の正体は読者にも知らされることがありません。
つまり、読者の僕たちも何も情報がないまま物語が進んでいくのです。
青年とともに「自分が誰なのか」という問の答えを探していきます。

そんな状態なので、この物語の中では何が本当で何が嘘なのか全く判断が付きません。

物語の中で青年はある本を読む場面があります。
その本のタイトルもまた、「ドグラ・マグラ」。

「今、自分はいったい何を読んでいるのだろうか?」
「しかも、その自分はいったい誰なのだろうか?」

謎が謎を読む、ものすごく複雑な物語でした。
この感覚は今までの読書では味わったことがありません。

1個の物語の中に含まれる情報量がすごくて、読みながらたくさん頭を使った本でした。

謎が謎を呼び、その謎の真相が気になる。
読んでいるうちにどんどん謎に引き込まれていきます。

僕はこの本を夜の11時から読み始め、気づけば早朝4時を回っていたときもあります。
久しぶりに引き込まれる良い小説だったかなと想います。

ドグラ・マグラを読んだら気が狂ったのか?

結論から言うと、大丈夫でした。
僕はちゃんと読み終えても正常な状態でいることができました。

でも、頭の中はパンクしそうです。
読み終えても、「今自分が見ている世界が本当のものなのか」わからなくなるような感覚が続いていました。
もしかしたら、これがずっと続けば確かに気が狂ってしまうのかもしれません。

まとめ

というわけで『ドグラ・マグラ』の紹介でした。
もしかしたらあんまり普段読書したことがない人は挫折しちゃうかもしれません。

  • ちょっと読み応えがある作品が読みたい。
  • 普通の本は飽きてしまった。
  • 毒のある作品が読みたい。

こんな人にはおすすめです。

関連図書

ドグラ・マグラに関連する書籍として、宮部みゆきさんの『レベル7』という小説を紹介したいと想います。

レベル7はドグラ・マグラと異なり、物語の進行とともに主人公たちの素性が解明されていくので心地が良いです。