ゲド戦記III『さいはての島へ』感想——「ある」と「する」、願望と欲望の違い
就活を始めて「自分は何がしたいのか」と悩んでいた時期に読んだシリーズ第3巻です(ネタバレを含みます)。
ストーリー
大賢人となったゲドが若い王子アレンとともに、アースシー各地で起きる均衡の崩れを探る旅の物語です。2人の旅はさいはての島へ向かっていきます。
ゲドのセリフから学んだこと
過去を受け入れることが未来を開く
自分に自信が持てないアレンにゲドが言った言葉です。
過去を否定することは、未来をも否定することだ。人は自分で自分の運命を決めるわけにはいかない。受け入れるか、拒否するかのどちらかだ。ナナカマドは根のはりかたが浅いと、実を結ばないものさ。
今まで自分がしてきたこと、生まれた環境、それらから目をそらすのではなく受け入れることで未来が開けるという言葉です。就活の時期に読んで、自分の過去をもう一度見直したくなりました。
「ある」と「する」の違い
まだ若かった頃、わしは、「ある」人生と「する」人生のどちらかを選ばなければならなくなった。(中略)ひとつの行動とつぎの行動の間のすきまのような、「する」ということをやめて、ただ、「ある」という、それだけでいられる時間、あるいは、自分とは結局のところ、何者なのだろうと考える時間をね。
何かをし続けているとき、「自分とは何者か」を内省する時間は作れません。就活で予定を詰め込み動き続けていた時期に読んで、何も入れずただ向き合う時間を作ることの大切さを教わりました。
願望と欲望の違い
ただ生きたいと思うだけではなくて、さらにその上に別の力、たとえば、限りない富だとか、絶対の安全だとか、不死だとか、そういうものを求めるようになったら、その時、人間の願望は欲望に変わるのだ。
「必要以上かどうか」が願望と欲望の違いです。求めることに際限がない人間の本質を、ファンタジーの文脈で鋭く表現しています。
読んで感じたこと
ファンタジーでありながら、生き方について考えさせる言葉がたくさん出てきます。特に自分の方向性が定まっていないときに読むと刺さります。
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