【書評】ゲド戦記を読んだ感想。生きる上でのヒントが詰まった本、『ゲド戦記III さいはての島へ』

【書評】ゲド戦記を読んだ感想。生きる上でのヒントが詰まった本、『ゲド戦記III さいはての島へ』

みなさんこんにちは!金沢で学生をしています、あまねです。
今日は『ゲド戦記III さいはての島へ』を紹介したいと思います。
この本は、ファンタジーながら、僕たちが生きる上でのヒントがたくさん詰まった本なんですよ!

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大学生、生き方を考える

大学生だと今後の生き方のこととか、色々考えますよね?
特に就活が始めると、「自分は何がしたいんだろう?」とか、「どう生きるのがいいんだろう?」とか考えることがたくさんありますね。

僕も、特に就活をはじめてから「生き方」についてたくさん悩んでいました。
そんなある日、『ゲド戦記』を読み始めたんです。
きっかけ等は1巻の記事で書いています。

【書評】ファンタジー小説『ゲド戦記』の原作を読んだ感想

そして、この『ゲド戦記』からはたくさんの学びや生きるヒントを得ることができました!

『さいはての島へ』ストーリー

ここで『さいはての島へ』のストーリーを軽く紹介したいと思います。

『さいはての島へ』の舞台は前作『影との戦い』『壊れた腕輪』と同様、魔法使いが住むアースシーの世界。
『壊れた指輪』から数十年後、ゲドは大賢人となり魔法使いの長になっています。

アースシー各地で起こり始める異変。世界の均衡が崩れる中で、ゲドは原因を探るべくエンラッドの若い王子アレンとともに旅をすることになります。

そして、2人の旅の終着点は「さいはての島」を示すのでした。

得た学びの数々

このゲドとアレンの旅の中で、僕はゲドのセリフがとても心に刺さりました!!
いくつか紹介したいと思います。

自身がない自分へ

アレンは自分が高貴な生まれでありながらなかなか自分に自身が持てずにいます。
そんなアレンに対してゲドが言ったセリフがこちら。

過去を否定することは、未来をも否定することだ。人は自分で自分の運命を決めるわけにはいかない。受け入れるか、拒否するかのどちらかだ。ナナカマドは根のはりかたが浅いと、実を結ばないものさ。(p53)

「なるほど、過去を否定することは未来を否定することか。」と思わず唸ってしまいました。
自分が今までしてきたこと、生まれ、それらから目をそむけるのではなく、受け入れることで未来が開けるということですね。

「今まで僕が生きてきてやってきたこと、もう一度見直してみようかな」そんな風に思いました。

「ある」と「する」

旅の途中、海で漂流しているときのゲドのセリフです。

まだ若かった頃、わしは、「ある」人生と「する」人生のどちらかを選ばなければならなくなった。わしはマスがハエにとびつくように、ぱっと後者に飛びついた。だが、わしらは何をしても、その行為のいずれからも自由にはなりえないし、その行為の結果からも自由にはなりえないものだ。ひとつの行為がつぎの行為を生み、それがまたつぎを生む。そうなると、わしらは、ごくたまにしか今みたいな時間が持てなくなる。ひとつの行動とつぎの行動の間のすきまのような、「する」ということをやめて、ただ、「ある」という、それだけでいられる時間、あるいは、自分とは結局のところ、何者なのだろうと考える時間をね。(p63)

つまり、何かをしているときはただ「ある」という状態にはなり得ないということです。
最近、マインドフルネス、瞑想が流行していますが、現代人は動きすぎなのかもしれません。

就活に落とし込むと、「会社説明会や面接を受けすぎ、動いてばかりでは自分のしたいことや自分とは誰なのかを内省することはできない」ということかなと思います。
何も予定を入れず、ただ向き合う時間を作ることが大切なのだろうなと思います。

人間の欲について

次に、人間の欲望についての話が出てきます。
人間の願望である、「生きたい」という欲についての、アレンから質問につづいてゲドの答えです。

「生きたいと思うって?そう思うことはまちがいではありますまいに。」

「うん、そりゃ、まちがいではないさ。しかし、ただ生きたいと思うだけではなくて、さらにその上に別の力、たとえば、限りない富だとか、絶対の安全だとか、不死だとか、そういうものを求めるようになったら、その時、人間の願望は欲望に変わるのだ。そして、もしも知識がその欲望と手を結んだら、その時こそ、邪なるものが立ち上がる。そうなると、この世の均衡はゆるぎ、破滅へと大きく傾いていくのだ。」(p64-65)

「願望」と「欲望」についてですね。
ここでゲドは「人間が必要以上に何かを求め、そこに力を加えてしまうと「邪」になっておかしなことが起こる」と警告しているのです。
そして、「必要以上かどうか」。それが願望と欲望の違いなのです。

僕もこれには賛成で、人間の欲にはきりがないので、「求める」という行為は再現ありません。
それが「何のために」「必要なのか」考えること。
「ないもの」ばかり見ずに「あるもの」に目を向けること、大切なのだろうと思います。

まとめ

以上、『さいはての島へ』の紹介です。

このように、『さいはての島へ』の中には深い言葉や生きるヒントとなるメッセージがたくさん登場します。
今後の人生や生き方で悩んでいるとき、何かメッセージをくれる、そんな本でした。
興味がある方、何か悩みがある方は読んでみることをおすすめします!

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