
PDCAを具体的に回す3つのポイント——スピードを上げる仕事術
「PDCAを回しなさい」と言われるたびに、具体的に何をすればいいのか分からなくて困っていました。営業インターンをしていたとき、言葉は知っていましたが実践できていなかった経験があります。「Planして、Doして、Checkして、Actする」と分かっていても、日常業務のどこに組み込めばいいのかがピンとこなかったのです。
三木雄信著『孫社長のむちゃぶりを解決してきたすごいPDCA』を読んで、ようやく腹落ちしました。この本で紹介されている方法は、自分がイメージしていたPDCAとかなり違っていました。
著者について
著者の三木雄信さんはソフトバンクの社長室に在籍し、孫社長のそばで仕事をしていた方です。そのときに身につけた、スピードを上げるための仕事術がこの本にまとめられています。
自分がイメージしていたPDCAとの違い
自分がイメージしていたのは「1つのプランを立てて改善していく」という直線的なサイクルでした。試してみて、うまくいかなければ修正して、また試す、という流れです。でもこの本で紹介されているPDCAはそれとは大きく異なります。
3つのポイントが本の中で示されています。
①思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する ②1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する ③目標も結果も、数字で管理する(p.27)
1つ試して次に進むのではなく、複数のプランを同時に走らせる。そして毎日チェックして絞り込んでいく、という方法です。
「複数のプランを並行して試す」という発想は、特に目からウロコでした。「まず1つ試してから」と考えていた自分には、最初から複数走らせるという発想がありませんでした。インターン時代に業績がなかなか上がらなかった原因の一つは、1つの方法にこだわりすぎていたことだったのかもしれません。
1つの方法で結果が出ないとき、「もう少し続ければ変わるかもしれない」と判断するのか、「別の方法に切り替えるべきだ」と判断するのかは難しい選択です。複数のプランを同時に走らせておけば、「A がうまくいかなかったとき B に切り替える」ではなく、「最初から A と B を比べながら改善する」という発想になります。プランの優劣を比較するためのデータが自然と手に入るため、判断の根拠も持ちやすくなります。
振り返りを毎日行う
一般的に思い描くPDCAの1サイクルは1週間程度のイメージがありました。この本では1日単位でチェックすることを推奨しています。毎日改善すれば、1週間サイクルと比べて振り返りの速度が7倍になります。
「毎日は大変では?」と思いましたが、チェックの粒度を細かくするほど軌道修正も細かくなるので、大きな失敗になる前に方向転換できるという考え方です。振り返りを週次にしていたインターン時代は、1週間経ってから「やはりこの方法はダメだった」と気づくことが多く、無駄にした時間が多かったと改めて感じました。
毎日チェックと言っても、そのための作業を膨大にする必要はないと読んでいて感じました。「今日の目標数値と実績を記録する」だけでも、1週間分の推移が積み上がれば十分に傾向が読めます。記録の精度より記録の継続の方が優先度が高いという感覚は、インターン時代に振り返りを途切らせてしまった反省とも重なりました。
目標の数字の決め方
目標設定についても参考になる考え方が書かれていました。
少し高いけど、今のナンバーワンよりも確実に高い数値に設定するのがベストです。(p.101)
高すぎる目標は挫折しやすく、低すぎると成長しません。すでに誰かが達成している数値を少しだけ上回る目標が、モチベーションを保ちやすいという考え方です。「根拠のない大目標」ではなく、実際に達成されている数値を参照して設定するのが具体的で実用的だと思いました。
読んで感じたこと
この本から受け取ったのは、特別な手法があるわけではなく、シンプルな動作を地道に続けることが前提にあるという感覚でした。PDCAという概念自体はシンプルですが、「複数プランを同時実行・1日単位でチェック・数字で管理」という3点を意識するだけで、実践のイメージが大きく変わりました。
仕事術の本の中でも、抽象論ではなく具体的な動き方が書いてある本は読んでいて安心感があります。
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