浪人か進学か迷っている受験生へ——第1志望に落ちても満足できた理由

浪人か進学か迷っている受験生へ——第1志望に落ちても満足できた理由

8分で読める大学生活
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受験結果が出て、浪人するか進学するかを迫られている——そういう状況の人に向けて書きます。

自分は第1志望に落ちて、第2志望の大学に進みました。浪人はしませんでした。4年間を過ごした今、その選択を振り返って後悔はありません。なぜそう思えるのか、判断に使った軸と、滑り止めの大学で実際に良かった点・物足りなかった点まで書いておきます。

第1志望に落ちた日のこと

私立大学5校・国立大学2校を受験し、合格したのは私大3校と国立大学の後期でした。第1志望の前期は手応えがあると思っていたのですが、合格発表で番号はありませんでした。

後期試験の前日、金沢へ向かう電車の中で「受かったやつは今頃、住む家を決めているのに」と思って涙が出たのを覚えています。第1志望に落ちるというのは、点数が足りなかったという話以上に、今まで目指してきた家がまるごと消えるような感覚でした。この先の人生が真っ暗で、自分の足取りが何も見えなくなる。あんなふうに足場全体が崩れる感じは、後にも先にもなかなか味わったことがありません。

そのとき支えになったのは、それまで読んでいた本でした。少しスピリチュアルな本も含めて、「たった1つの正解なんてない」「結局は経験がすべて」という考え方に触れていたおかげで、暗闇の中でも「ならば振り切って、これから何でもやってみよう」と思い直せました。同時に、何でもやっていくには体とメンタルの健康が土台になる、ということも、このどん底でぼんやり意識した気がします。

どちらを選ぶか——自分が使った判断軸

学校の先生は「もう1年勉強すれば第1志望へ行けるだろう」と背中を押してくれましたが、決めきれないまましばらく考え続けました。

整理したのは「この1年をどう使うか」という問いでした。浪人すれば第1志望に受かる可能性は上がります。ただし保証はなく、もう1年を勉強だけに費やすことになります。進学すれば、確実に前に進めます。理系だったので、大学院でリベンジするという道も残っていました。

お金の観点も無視できませんでした。国立と私立では、4年間で使える金額がかなり違います。私立に行くなら、本来なら浮いていたはずのお金を留学や別の経験に回すという選択肢を捨てることになる——そういう天秤も頭をよぎりました。

悩んだ末に進学を選んだ一番の理由は、「大学で経験を積みながら大学院でリベンジするほうが、1年を有効に使える」と感じたからです。加えて、合格通知が届いたこと自体を「縁」として受け取った部分もありました。浪人のメリットは第1志望に近づけること、デメリットはもう1年を勉強だけに賭ける不確実さ。自分の場合は、後者の重さのほうが勝ったということです。

滑り止めでも満足できた点、物足りなかった点

第2志望は、正直そこまで期待して入った大学ではありませんでした。それでも、通ってみて良かったと思える点がいくつもありました。

一番大きかったのは人です。自分と同じように第1志望に届かず、悔しさを抱えて入ってきた優秀な人が一定数いて、その人たちと繋がれたことが大きな財産になりました。規模の大きい大学だったこともあり、頑張れば目立てる余地もありました。第1志望で思うように頑張れなかった悔しさが、そのままモチベーションに変わっていった感覚があります。

一方で、物足りなさもありました。留学にまわせる資金の手厚さや研究の環境という面では、「やはり地方の大学だな」と感じる場面がありました。地方の進学校にいると、どうしても国立志向が強くなり、東京で暮らすことや都市部の大学が持つ価値が肌で見えにくい。社会人になった今振り返ると、進路はもっと広い視野で見てよかったな、と思うところはあります。良い面と惜しい面、その両方があるのが正直なところです。

入学後にやって、一番効いたこと

入学したとき、心に決めたことがありました。「第1志望には行けなかった。一度死んだも同じだ。ならば、今からやれることを全部やってみよう」という開き直りです。

そこから、部活・サークル・インターン・OB訪問・旅行と、やれることを手当たり次第に試しました。なかでも一番効いたのは、コミュニティに自分から飛び込んでいったことです。自分に合いそうなイベントに、とにかく自分から突っ込んでいく。その最初の一歩を踏み出せるかどうかで、その後に出会える人がまるで変わってきます。

どこまで行っても、人生に大きく影響するのは人と人のつながりやネットワークだと感じます。第1志望に行っていたら、ここまで自分から動かなかったかもしれません。皮肉な話ですが、落ちた悔しさがあったからこそ、外に出る力が湧いたのだと思います。

大学ブランドは「みんなが信じているから効く」

それでも、難関大学の魅力が分からないわけではありません。学力の高い人が集まる環境にはそれ自体のコミュニティの力があり、自己紹介のときの肩書きの見栄えが気になる場面も、正直あります。卒業生のつながり、いわゆるOB会の力のように、入る前には想像もつかない種類の資産も確かに存在します。

ただ、あとから『サピエンス全史』を読んで腑に落ちたのは、大学のブランドというのは一種の「虚構」、つまりみんながその価値を信じているからこそ力を持つ共同幻想なのだ、という見方でした。実体がないという意味ではありません。多くの人が信じているから、現実に効力を持つ。だとすれば、そのブランドにどこまで自分の人生を預けるかは、自分で決めていい話です。

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3年・4年と過ごして後悔がなかったのは、大学のブランドよりも「入学後に何をするか」を自分で決めた覚悟があったからだと振り返っています。

「一年浪人してでも」という執念があるなら

第1志望を選んだ理由があるように、そこに行けない悔しさがあって当然です。「どうしてもあの大学でなければ」という執念があるなら、それは大事に持ち続けてください。そのエネルギーを浪人生活に注いだ先に、後悔しない選択があると思います。

逆に、その執念がそこまで強くないのなら、進学して動き出すほうが向いているかもしれません。どちらを選ぶにせよ、最後に効いてくるのは「これでいく」と決めた覚悟そのものです。第1志望かどうかより、選んだ場所で何をするか。それが、後悔しないための一番大切な要素だと感じています。

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井上 周(Amane Inoue)の個人ブログです。技術・読書・ドラマ・旅・大学生活のことを書いています。