阿寒湖とアイヌコタンを観光した体験記|まりも土産と、商業臭のない集落の魅力

阿寒湖とアイヌコタンを観光した体験記|まりも土産と、商業臭のない集落の魅力

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北海道旅行のときに訪れた阿寒湖と、その周辺にあるアイヌコタンについて書きます。旅全体の行程は別の記事にまとめています。

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実は、昔は父親がよく出張で北海道へ行っていて、そのたびにお土産でまりもを買ってきてくれました。丸い緑の球体が水の中を漂っているあの姿が、子どもの頃の自分にはとても不思議で印象的でした。おみやげのまりもはガラスの小瓶に入っていて、部屋の棚にずっと飾っていた記憶があります。そのせいか「北海道といえば阿寒湖」という印象が強くあり、今回の旅でも絶対に行ってみたいと思っていた場所でした。まりもの本場を自分の目で見たいという気持ちが、ずっとあったのです。

阿寒湖に到着——したものの

千歳から下道でおよそ6時間で阿寒湖に到着します。途中の道はとても広く、大地は広大。農場や牧草地が延々と続き、本州の景色とはまったく違うスケール感に、さすが北海道と思わず息を飲みました。高速を使えばもう少し短縮できますが、下道の景色を眺めながら走るのも北海道ドライブの醍醐味だと感じました。

阿寒湖は北海道東部の阿寒摩周国立公園内に位置する湖で、マリモの生育地として知られています。マリモは阿寒湖の固有種として国の特別天然記念物に指定されており、阿寒湖のシンボル的な存在です。球状に育つ「まりも」は世界的にも珍しいとされており、阿寒湖のまりもはその代表格として広く知られています。湖の底でゆっくりと成長し、何十年もかけてあの丸い形になると言われており、生き物としての不思議さが魅力のひとつです。

ただ、着いてみると天気はどんよりとした曇り。いざ湖のほとりに行ってみても、曇り空のせいで湖の綺麗さがあまり伝わってきません。晴れた日には青空と水面が映えて美しいのだろうと想像はできましたが、この日は「広い湖だな」という感じで、期待値が大きかったぶん、感動は薄めでした。湖を眺めながら「晴れてたらな」と何度か思いました。

それでも、湖畔の町並みは個人的にツボでした。観光地としての整備が行き届いていながら、どこか鄙びた雰囲気も残っていて、夕暮れ時に訪れたらまた違う良さがあるのだろうと思いました。ほとりのカフェの感じや、少し暗い中に灯りがついている雰囲気が好きなんです。お土産屋さんで売られているまりもも綺麗で、思わず欲しくなりました。

アイヌコタンが面白かった

「うーん、これは失敗だったかな」と思いながら歩いていると、町の一角にアイヌコタンの集落を見つけました。コタンとはアイヌ語で「集落」を意味する言葉で、つまりアイヌの人たちの集落です。

アイヌコタンの入り口には、大きなフクロウの像が掲げられていました。アイヌの人たちはフクロウ、特にシマフクロウをコタンコルカムイ(村を守る神)として崇めてきたと言われており、アイヌ文化においてフクロウは神聖な存在として位置づけられています。その象徴が入り口を守るように構えている光景は、独特の雰囲気を醸し出していました。

入り口を抜けると、その先にはアイヌの人たちによる民芸品のお店が並んでいました。これが、すごく面白かったです。

観光地でよくあるのは、いかにも「観光客に物を買わせて儲けよう」という匂いのするお土産屋です。でも、このアイヌコタンからは、あまりそれを感じませんでした。それでいて、どこかテーマパークのような非日常感があります。売られているのも本物のアイヌのもので、木彫りの熊や神々の意匠を施した置物、独特のアイヌ文様が入った刺繍製品など、商店なのに博物館にいるような気分でした。ひとつひとつのものに背景があるように感じられて、ただ「安くて買いやすいお土産」を売っているのとは違う空気が漂っていました。アイヌ文化はこれまであまり馴染みがなかったのですが、ここに来てはじめて「実際の文化として今も生きているんだ」と実感できた気がします。

このあと、アイヌコタンの人に教えてもらった近くのオンネトー(五色沼)にも足を伸ばしました。阿寒湖でのちょっとした出会いが次の目的地を教えてくれた形で、旅の流れとしてはとても自然でした。

神秘的な五色沼・オンネトー

阿寒湖とアイヌコタンを訪れた感想

阿寒湖そのものは、晴れていればまた違った素晴らしさがあったのかもしれません。曇りの日に訪れると、湖の美しさはなかなか伝わってきません。もし阿寒湖を目的地にするなら、天気予報をしっかり確認してから出発日を決めることをおすすめします。特に北海道東部は天候が変わりやすい地域でもあるため、余裕を持った日程にしておくと、天気の良い日に再挑戦しやすくなります。

一方で、アイヌコタンは天気に関係なく楽しめる場所でした。屋外ではなく集落の中を歩き回る形なので、曇りでも雰囲気が損なわれません。自分にとってはアイヌコタンのほうがずっと印象に残りました。北海道の先住民族であるアイヌの文化に触れられる場所は多くなく、阿寒湖のコタンはその数少ない入り口のひとつです。アイヌの歴史や工芸品に少しでも興味があれば、ここは立ち寄る価値がある場所だと思います。阿寒湖を訪れるなら、ぜひアイヌコタンにも立ち寄ってみるといいと思います。

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井上 周(Amane Inoue)の個人ブログです。技術・読書・ドラマ・旅・大学生活のことを書いています。