ミヒャエル・エンデ『モモ』感想——「時間を節約すれば幸せになれる」という問いへの答え
ミヒャエル・エンデの『モモ』を読みました。児童文学ですが、大人が読んでも十分に刺さります。
あらすじ
舞台は時代も場所も明示されていないある街。孤児の女の子モモには、話を聞くだけで相手をすっきりさせる不思議な力がありました。
ある日、街に「時間どろぼう」たちがやってきます。彼らは人々に「無駄な時間を節約しましょう」と説いて回ります。街の人たちはその言葉を信じ、時間を効率化し始めます。ところが、節約された時間は裏で盗まれていたのです。モモと友人たちは時間を取り戻すために動き始めます。
「時間を節約すれば幸せになれるのか」という問い
大学4年生のとき、残り少ない学生生活の使い方を考えていました。「限られた時間だから、意味のあることだけに使わなければ」と思い、友人との時間や意味がないと決めつけた遊びの時間を削っていました。
『モモ』を読んで、時間を節約している街の大人たちと自分が重なりました。無駄を減らしてひたすら働いているのに、空いた時間に仕事が入り、結果として時間はなくなっていく。効率を追うほど何かが抜けていく感覚です。
では、どういう時間の使い方がいいのでしょうか。
この本を読んで感じたのは、「世の中の基準で無駄かどうかを判断しているうちは、自分の時間を生きていない」ということです。「これは本当に自分にとって無駄なのか」と問い直すことで、見え方が変わります。
児童文学だけど大人向け
「児童文学」と聞くと軽い読み物と思うかもしれませんが、この本のテーマは軽くありません。「時間とは何か」「効率化された生活で失われるものは何か」という問いが、物語を通じて静かに突きつけられます。
時間に追われている感覚がある人や、毎日何かに焦っている人は、一度読んでみてください。
この記事で紹介した本『モモ』ミヒャエル・エンデ Amazon で探す記事の更新をメールで受け取る
質問・リクエストを送る
記事についての質問や、取り上げてほしいテーマがあればお気軽にどうぞ。いただいた質問はブログ記事として回答し、Q&Aページで公開することがあります。