【書評】『本物の思考力』(出口治明)を読んだ感想。世界で活躍するための第1歩!

【書評】『本物の思考力』(出口治明)を読んだ感想。世界で活躍するための第1歩!

みなさんこんにちは。
金沢で学生をしています、あまねです。

最近よく聞く、「グローバル人材」という言葉。
「世界で活躍できる人」という意味です。
これからどんどんグローバル化が進行していくなかで、そういった人が求められています。
むしろ、そういう人にならないと世界から置いていかれてしまうかもしれないですね。

でも、じゃあどうすればグローバル人材になることができるのでしょうか?
そのためのヒントになるのが、ライフネット生命創業者の出口治明さんの『本物の思考力』です。

今の日本人に足りないのは、正解を求めず、自分の頭で考えて、それを発信、実行していく力ではないでしょうか?
そういった力を身につける上でどうしたらよいのか、出口さんから学んでみましょう。

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『本物の思考力』を読むきっかけ

僕は大学2年生のときに先輩2人と読書会をしていました。
2週間で一冊の本を読み、集まって考えたことなどを共有していきます。
この『本物の思考力』は僕がはじめてそこに参加したときに読んだ本でした。

『本物の思考力』を読んでの感想

この本を読んで一番思ったのは、「いかに日本人、特に僕のような学生が何も知らないか」ということです。

僕たちはインターネットやSNSから情報を得ることは多いですが、その分、歴史や仕組みなどの「教養」と言われるところはあまり知ることがありません。
海外と比べるとその差は明らかに出ています。

これからグローバルに生きる上ではそういった人たちと対等に渡り合える思考力・知識・教養を身に着ける必要があると感じました。

刺さった言葉

「データ」「ファクト」「ロジック」で考えよう

基本的には数字(データ)やファクト(事実)に基づいたロジック(論理、論法)を伝えるメディアのはずですが、数字やファクト、ロジックよりも、感覚に引っ張られてしまったような記事が増えているように思います。 p29

インターネットのメディアを鵜呑みにしては行けないんだなと思いました。
そう言われると、確かに個人の感覚を書いた記事などもあるし、テレビのニュースなどでも専門家の意見だと「そうなのかな」と納得してしまいますよね。
でも、そこにちゃんと根拠があるのかどうかは、情報を受け取る側として吟味すべきということなんですね。
もっとも、それは手間のかかることで難しいとは思います。
だから、次からはメディアを観た時に「その根拠は?」とちょっと意識するだけでもいいのかもしれません。

このように、人が何かを考えたり、判断したりする際に必要な情報は、冷静に考えるとそれほど多くはありません。人口、年齢分布、平均寿命、経済成長率、有効求人倍率、失業率、労働生産性、消費者物価指数、所得・給与水準、貯蓄率、ジニ係数(所得、資産分配の不平等度などを示す指標のひとつ)・・・そのあたりの数字がわかれば、国の経済状態の概略はだいたい把握できるでしょう。 p64

見るべきデータを列挙していただきました。
僕は理系ですが、個人的には数字は少し苦手です。
でも、こういうのもきっと見ているうちに慣れるんでしょうか。
どこかの国のことを知りたいときには、まずはこの辺の数字を当たってみるのが良さそうです。
せめて、日本の数値ぐらいは把握して、今どんな状況なのか見れる人間になりたいですね。

教養・英語を身に着けよう

世界的に見れば、経済陣の高学歴化が確実に進行しており、大学院を修了しなければ幹部になれないグローバル企業が多くなっています。 p99

グローバル企業で幹部になるには大学院は必須になる可能性が高いということです。
「グローバル企業で幹部になる」なんて、今までは考えたこともありませんでしたが、これからの時代はどこの会社もグローバル企業になっていきそうな気がします。
それこそ、人口が減っていく日本内だけを見ていたのではマーケットが減っていくんですもんね。

でも、そのわりには日本の経営陣はあまり大学院卒を聞かない気がします。
僕は理系の大学生なので、大学院への進学は多いですが、文系にはあまり大学院への進学を希望する人は少ないのではないでしょうか?
一度社会人になってからMBAを取得するというのは聞きますが。

このあたりに、日本の「知」への問題が見えますね。
今の日本の資産は、「文化財」と「人材」なのだろうと思います。

そして、人材の魅力はやはりその「知力の高さ」なのではないでしょうか?
もっと、賢い人を優遇しても良いのだと思います。

外国語を学ぶことにはメリットしかありません。例えば投資信託。株式やFXといった投資の知識を身に付けてお金儲けを狙うより、英語を身に着けて自分の価値を高め、職業選択の幅を広げていくほうが、長い人生のなかでは確実に得をすると思います。 p101

就活をしていて、「大学生のうちに英語を勉強しておけ」と言われたことがあります。
「自動翻訳があれば英語はいらない」という考え方もありますが、実際どうなのでしょうか?

僕は、言語は身につけて置くべきかと思いますね。
なぜなら、言葉とはただでさえ誤解を招くもの。
人工知能を使えばそれなりの意思疎通はできるかもしれませんが、自分が思っていることをすべて伝えようと思ったらやはり「自分の言葉」で伝えるしかないのだと思います。

それは外国人もまったく同じです。彼らも、政治、経済、宗教といった話題が大好きです。僕は中国の経営幹部と、何度も共産党政権について語り合ったことがあります。

なぜ、”自称”海外痛の人がそのような勘違いをするかというと、相手(外国人)が彼ら(日本人)の知識不足を見抜いて、レベルを合わせてくれるからです。 p106

日本人の知識不足に関するコメントです。
やはり、今の日本人には圧倒的に「教養」が足りないと思います。
本来「教養」を学ぶ場であるはずの大学でも、実際のところあまり教養は得られないと思います。

グローバル視点に立つためには、最低限教養は身につけておく必要がありますね。
それも、時間のある大学時代に。

ウィキペディアは、たしかに大手出版社が出している辞書や百科事典とは違い、権威のある学者が監修したものではありません。しかし、どこの誰が書いたかもわからない匿名掲示板の書き込みや、独自の解釈で怪しげな意見を投稿しているブログ記事などよりも、はるかに信憑性が高く、プレーンな情報源といえるのではないでしょうか。 p115

出口さんの考えではウィキペディアはOKということです。
高校までの教育やアカデミックな世界では、「ウィキペディアは引用先としては使ってはいけない」と盛んに言われてきました。
でも、みんなが編集できるからこそ正しい情報があるというのは確かにその通りかもしれません。
情報を参照する際には使えそうですね。

あと、このブログは「独自の解釈で怪しげな意見を投稿しているブログ」にはしたくないなと思いました。笑

思考力を高めるためには、きちんと書かれたテキストを一語一句丁寧に読み込んでいくことが大切。句読点一つにも意味がある。そうして、著者の思考のプロセスを追体験することによってしか、考える力は鍛えることができない。 p138

出口さんは精読を進めています。
僕は、本によって変えるべきかと思います。
「思考力を高める」という目的ならば、選ぶのは「きちんと書かれたテキスト」ですし、そのためには「精読」が一番です。
でも、本を読む際に何か他の目的があるのならば、ななめ読みや多読の方が有用な場合もあります。

「自分の頭で考えて」読み方も選ぶのがいいでしょう。

僕が本を選ぶ時の大原則は、「読みたい本から、迷わず読むべし」というもの。 p167

出口さんの本の選び方です。
僕もわりと、迷わずとにかく読むことをおすすめします。
買おうか迷っている時間があるのならば、買って1文字でも読んでみたほうがいいですよ。
本をケチってもしょうがないです。
時間をケチりましょう。

まとめ

これからの時代でグローバル規模で活躍する人になるために必要なのが「本物の思考力」でした。
そしてそのための大きなヒントは、やはり「データ」「ファクト」「ロジック」なんですね。

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考える力をつける本としてはもう一冊、『自分のアタマで考えよう』もおすすめです。

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