バルセロナの市営Fab施設を使ってみた|Ateneu de Fabricació de Gràciaで3Dプリンターを使うまで

バルセロナの市営Fab施設を使ってみた|Ateneu de Fabricació de Gràciaで3Dプリンターを使うまで

7分で読める旅行
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目次
  1. Ateneu de Fabricació de Gràciaはバルセロナ市営のFab施設
  2. 利用前に面談と機械別の講習を受ける
  3. 3Dプリンター講習を受ける
  4. 講習後に3Dプリンターを予約
  5. 利用前に知っておきたいこと
  6. まとめ

バルセロナのグラシア地区にある「Ateneu de Fabricació Digital de Gràcia」を利用しました。市が運営するデジタル工作施設で、3Dプリンターやレーザーカッターなどを使えます。自分は施設へメールを送り、見学と面談、3Dプリンター講習を経て、自分の制作に使うところまで体験しました。

Ateneu de Fabricació de Gràciaはバルセロナ市営のFab施設

Ateneu de Fabricacióは、デジタルファブリケーションの知識と機材を市民に開く、バルセロナ市の公共施設です。市内に複数の拠点があり、市民や教育機関、企業、地域団体による学習や共同制作に使われています。グラシアの施設はCarrer del Perill 8にあります。

グラシアの施設には3Dプリンターのほか、レーザーカッターや大型CNC、縫製や電子工作のための設備もあります。何か一つを出力するだけでなく、素材や加工方法をまたいで試作できる場所です。

Ateneu de Fabricació Digital de Gràciaに設置された大型CNCルーター
初回面談で見学した大型CNCルーター。部屋のかなりの面積を占める設備でした
Ateneu de Fabricació Digital de Gràciaに設置されたTrotec Speedy 300レーザーカッター
施設内のレーザーカッター。3Dプリンター以外も、機械ごとの講習を受けて利用します

利用前に面談と機械別の講習を受ける

最初のメールには、個人プロジェクトで3Dプリンターを使いたいことと、作ろうとしているものを簡単に書きました。数日後に返信があり、まずは現地でプロジェクトについて話し、設備を見学することになりました。

施設から届いた返信では、利用開始までの流れが次の3段階に整理されていました。

  1. 初回面談で、作りたいプロジェクトを説明し、施設と設備を見学する
  2. プロジェクトに必要な機械ごとに、安全に使うための講習を受ける
  3. 講習後は、材料や機械の扱いに責任を持ちながら自主的に制作する

面談では、機材の説明だけでなく「コミュニティへの還元」と制作記録についても話がありました。利用者は、写真と短いプロジェクト説明を残すことが求められます。単に工作機械を借りるのではなく、作った知識を地域や次の利用者へ戻す考え方が、施設の運営に組み込まれているのが印象に残りました。

3Dプリンター講習を受ける

面談後は、次の3Dプリンター講習の案内が来るまで2週間ほど待ちました。講習は複数の利用希望者が一緒に参加する形式で、材料や完成済みのデザインデータを持参する必要はなく、施設にあるサンプルを使って学べました。

講習では、3Dプリンターの機械的な仕組みと、造形を前提にしたデジタル設計の両方を扱います。使いたい機械ごとに講習を受ける方式なので、施設全体の説明を一度聞けば、すべての設備をすぐ自由に使えるわけではありません。一方で、必要な機械に絞って覚えられるため、3Dプリンターから始めたい自分には分かりやすい進み方でした。

講習で使用したBCN3D Sigmaの3Dプリンター
講習で扱ったBCN3D Sigma。2つのプリントヘッドを備えた機種です

最初の問い合わせから講習までは1か月ほどでした。個別対応を待ったというより、複数人向けの講習日程に合わせる必要があったためです。旅行中の数日だけで使うより、バルセロナにしばらく滞在する人のほうが利用しやすい仕組みだと思います。

3Dプリンター講習時に作業台へ置かれていた黒い造形物
講習時に見た造形物。積層の跡やサポート材の残り方も実物で確認できました

講習後に3Dプリンターを予約

講習後に3Dプリンターの空き日程をメールで問い合わせると、翌日には候補が届き、利用枠を予約できました。

自主利用では、造形に使うフィラメントを自分で用意しました。

長時間のプリントは、平日であれば夜間も機械に残せる場合があります。ただし、金曜日は週末に継続して監督できないため、14時までに機械を停止するルールです。完成時刻と回収までを考えて予約する必要があります。

利用前に知っておきたいこと

問い合わせから自主利用までに必要だったのは、初回面談と機械別講習、利用日時の予約、対応する材料の用意でした。一般的な時間貸しのメイカースペースより手続きは多めですが、スタッフと作りたいものを相談し、安全な操作を学んでから一人で機械を扱えます。

開館時間と予約できる時間帯は、曜日や機械によって異なります。講習日や材料の条件も含め、希望内容を添えて施設へ直接確認するのが確実です。

最初のメールでは、作りたいもの、使いたい機械、経験の有無を伝えました。面談には、制作物の画像や参考URLなど、イメージが伝わる資料があると話を進めやすいです。完成した設計図がなくても、何を作りたいか説明できれば相談を始められます。

まとめ

Ateneu de Fabricació Digital de Gràciaは、3Dプリンターを時間単位で借りるだけの施設ではありませんでした。作りたいものを共有する面談から始まり、機械別の講習を受け、制作記録やコミュニティへの還元を意識しながら自主利用へ進みます。手続きはありますが、工作機械に詳しくない状態から安全に使い始めるための順序として納得できるものでした。

街の観光施設とは違い、作りたいものを持ち込み、地域の人と同じ作業台を囲む場所です。バルセロナで生活する側に一歩入ったような体験でした。

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井上 周(Amane Inoue)の個人ブログです。技術・読書・ドラマ・旅・大学生活のことを書いています。