IELTS初受験の体験記|スコアは5.5、TOEIC835でも苦戦した4技能の壁

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人生で初めてIELTSを受けてきました。海外大学院への留学に興味があり、英語力を証明する必要があったからです。目標スコアは7.0。結果から言うと、Overall 5.5 でした。目標には届きませんでした。

IELTSとは International English Language Testing System の略で、海外の大学・大学院に出願するときに英語力の証明として使われる試験です。日本で有名な英語試験はTOEICですが、TOEICが重視されるのは主に国内で、留学ではTOEFLやIELTSが求められます。

IELTSのスコア(バンドスコア)の仕組み

IELTSは点数ではなく、1.0〜9.0の「バンドスコア」で評価されます。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能をそれぞれ0.5刻みで採点し、その平均が総合スコア(Overall Band Score)になります。

自分の目標だった7.0がどのくらいかというと、日本人受験者の平均はおよそ5.9で、7.0以上を取る人は全体の約14%とされています。つまり7.0は「上位に入る」レベルで、初受験の自分が出した5.5は、ちょうど平均の少し下あたりでした。

TOEIC835でもIELTSで苦戦した理由

実はこのとき、自分はTOEICで835を持っていました。それなりに英語はできるつもりでいたのですが、IELTSは5.5。この差に、IELTSというテストの本質が表れていると思います。

TOEICはリスニングとリーディングの2技能で、しかもマーク式です。一方IELTSは、書く・話すを含む4技能すべてが問われます。自分が苦戦したのも、まさにTOEICでは測られないライティングとスピーキングでした。TOEICのスコアが高くても、IELTSでそのまま通用するわけではない、というのが正直な実感です。

受験のためにやった対策

4技能のうち、リーディングとリスニングは大学入試やTOEICで慣れていたので、問題はスピーキングとライティングでした。ライティングを最後に書いたのは大学入試くらい、スピーキングに至っては中学の英検準2級以来です。

そこでスピーキングを重点的に対策しました。使ったのはDMM英会話です。月6,000円ほどで毎日25分、講師と話せます。IELTS向けに公式のケンブリッジIELTS教材も使えるので、これをほぼ毎日やりました。

付随するiKnowというアプリで、スキマ時間に語彙も覚えていました。リスニング対策はBBCのポッドキャストやTED、リーディングは普段読む英語論文や輪講で代用しました。参考書は図書館で借りた『セルフスタディ IELTS 完全攻略』を一冊。攻略法を頭に入れて練習問題を少し解いた程度です。

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一方でライティングは、「英語の論文を書く機会があるから大丈夫だろう」と自分に言い聞かせて、ほとんど対策せずに臨みました。結果から言うと、これが当日の明暗を分けることになります。

テスト当日の流れ(ペーパー版)

自分は試験を学校で受けられました。通常はライティング・リーディング・リスニングの日とスピーキングの日が分かれることが多いのですが、このときは1日で全部終わりました。これは助かりました。

朝8:20ごろに会場入りして準備します。持ち込めるのはパスポートと鉛筆3本、消しゴム、ラベルを剥がしたミネラルウォーターだけ。それ以外は会場で渡された袋に入れて別室に預けます。入室前にパスポート確認と指紋採取がありました。

なお、自分が受けたのは紙で解答するペーパー版ですが、IELTSは現在コンピューター版への移行が進んでいて、東京・大阪では2026年8月でペーパー版が終了予定です。これから受ける人は、画面で解答する形式が基本になります(試験内容や採点基準は同じです)。

4技能、それぞれの手応え

受験した順に、4技能それぞれの手応えを振り返ります。

ライティング:準備不足が一番こたえた

問題は2問。1問目は与えられた図表を150語以上でまとめる問題(自分のときは各国の教員の勤務年数別給与の図)、2問目は自分の考えを250語以上で述べる問題(メディアがネガティブなニュースを優先的に報じる傾向について)でした。図を見て説明するのも、考えを組み立てて表明するのも、瞬時に構成と語数を意識しながら書くのが本当に難しい。きっと型があって、それに慣れていればすらすら書けるのだろうな、と痛感しました。対策をしてこなかった分、ここが一番苦戦したセクションです。

リーディング:単語力より時間配分

思ったより専門用語は少なかったものの、出題分野は運次第です。アートに関する文章はとても読みにくく、何より時間が足りませんでした。解き方に慣れて、時間配分を体に入れておく必要があったと思います。

リスニング:いちばん手応えがあった

今回いちばん手応えがありました。普段から英語学習でリスニングに重きを置いていたのが効いた気がします。

スピーキング:DMMの効果を実感

毎日DMMで話していても本番はやはり緊張します。ただ、もし何も対策していなかったら相当まずかったはずで、DMMをやっていて本当によかったと思いました。スピーキング対策にオンライン英会話を使うのは、素直に有効だと感じます。

反省と、その後

反省は、やはり準備不足です。英語力そのものより、テスト対策(特にライティングの型)をやり込めば、もっとスコアは伸ばせたはずだと感じました。ライティングは150語・250語を時間内に書き切る練習と、議論を構造化する型を身につけること、リーディングは時間配分の演習と多読、というのが次への課題です。逆にスピーキングは、試験の1ヶ月前からオンライン英会話で毎日話すだけでも効果を実感できたので、短期でも準備する価値があると思います。

この受験のあと、目標にしていた留学がすぐに形になったわけではありません。ただ、英語と向き合う時間を続けるきっかけにはなりました。そして結果的に数年後、自分はスペイン(バルセロナ)に移り住むことになりました。IELTSが直接の理由ではないにせよ、あのとき英語に本気で向き合った経験は、間接的に今に繋がっている気がしています。

海外に出てみて思う、スコアより大事だったこと

このIELTSから数年、実際に海外で英語を使うようになって思うのは、英語はあくまで手段で、もっと大事なのは「話す中身」だということです。

カンファレンスでは技術や仕事の話、サハラマラソンに出たときはランニングの話——共通の話題と文脈さえあれば、多少つたなくても会話は成立します。逆に、話す中身がなければ、どれだけ流暢でも会話は続きません。

発音もそれほど気にしなくてよかったです。きれいに発音することより、「伝えたい」というパッションのほうが効きます。いわゆる出川イングリッシュでも、案外なんとかなります。

そして一番効いたのは場数でした。自分の場合、SIGGRAPH ASIAのStudent Staffをやった3日間で、英語が一気に上達した感覚がありました。机の上の対策より、使わざるを得ない環境に飛び込むほうが伸びる、というのが正直な実感です。このときの体験は、進路選びにも影響した話として別の記事にまとめています。

とはいえ、留学や出願では一定のスコアが必要になる場面もあります。IELTSはその入口として、また自分の現在地を測る区切りとして、受けてみる価値は十分にあると思います。初受験で目標に届かなくても、そこからどう英語と付き合っていくかのほうが、ずっと大事でした。

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井上 周(Amane Inoue)の個人ブログです。技術・読書・ドラマ・旅・大学生活のことを書いています。