『四畳半神話体系』を読んだ感想

『四畳半神話大系』のあらすじ
主人公である「私」は京都の大学3回生です。
バラ色のキャンパスライフを期待して大学に入ったものの、実際はバラ色とはほど遠い生活を送っています。
「あの時別のサークルを選んでいたら、、」「できれば1回生に戻ってやり直したい!」とそんな思いを叶えるような、4つの並行世界で繰り広げられる青春コメディとなっています。
語り口が最高である
この本の面白さは、なんと言ってもその語り口です。
語り手は主人公の「私」なのですが、理系大学生らしく論理的でひねくれており、素直になれない所も多い。
「黒髪の乙女」に囲まれる「薔薇色のキャンパスライフ」で夢見るのですが、色々とツッコミどころも多く、そんな夢は遠い。
それでいながら憎めない素敵なキャラクターをとても上手に表現しています。
個性豊かな仲間たち
主人公の彼以外にも小津や明石さん、師匠や羽貫さんと、個性が強い素敵な仲間が多数登場します。
僕もそんな彼らに囲まれて自分も学生生活を謳歌してみたかった、と思わず思ってしまうほどです。
『四畳半神話大系』に込められたメッセージを考察
僕は森見さんの作品の作品ごとに伝えたいメッセージがあると思っています。
一見、ただのだめ大学生が色々なサークルを選んだら、という物語に見えそうな本作ですが、僕はこの作品のテーマは「好機」だと思いました。
物語にも「好機はいつもすぐそばにぶらさがっています。」という言葉が出てきます。
みんな誰でも、「あのときああしていれば」と思うことはあるのではないでしょうか。
けれど、現状に不満ばかりでは結局何も変わらないし、それを考えてだけでは前に進みません。
意外にも、変わるチャンスは目の前にいくらでも転がっているのだから、それを掴み前進していくことが大事なのだよ、とこの作品からいわれた気がしました。
『四畳半神話大系』アニメ版と小説はどちらがおすすめ?
僕は実はアニメ版から観ました。
原作がいいか、アニメがいいか、この昨品は甲乙つけ難いような気がします。
アニメ版には別のエピソードも用意されていて、それも面白かったし、語り口もだいぶ良かったです。
ぜひ、読んでみて下さい。