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【書評】『永遠の出口』(森絵都)を読んだ感想。

2019/04/12
 
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金沢の地でWEB技術を勉強中。 世界をもっと面白くする。

こんにちは、あまねです。
今回紹介するのは森絵都さんの『永遠の出口』という作品です。
主人公の女の子が小学時代からだんだんと大人に成長する様子を短編でつないだ本でした。
男子は体験することのない女の子の世界で、主人公紀子が体験し、考えたことは僕にも共感することが多く、心の隠れた奥深くを刺激するようなそんな小説でした。

『永遠の出口』のあらすじ

『永遠の出口』の主人公は紀子という女の子。
第1編では小学生だった彼女は、編があとになるにつれてだんだんと成長していきます。

小学校、卒業、中学校、高校。
時代を重ねるごとに彼女はいろんなことを経験していきます。

まだ何も知らない子供の彼女にとって、新しいステージで待ち受けるイベントはどれも生まれてはじめての出来事ばかり。
そんなはじめてのできごとに戸惑い、おどろき、傷つきながらも乗り越える。
そしてちょっとずつ、ちょっとずつ成長していく様子が描かれていました。

『永遠の出口』を読んだ感想

この本は少し昔に出版されたものなので、全体的に「昔っぽさ」を感じました。
インターネットなんて言葉はないし、まだケータイすらない。
そんな時代を感じながら読んでいくのも面白かったです。

以前読んだ有川浩さんの『キケン』という本は最近の男子の物語だったので、ある意味『永遠の出口』は真逆の物語になります。
『キケン』の男子が通る道は僕も馴染みがありました。
でも、今回読んだ女の子の世界って今まで見ることがなかったので、新鮮で面白かったです。

『永遠の出口』のどの物語からも伝わってくるのは、主人公紀子のまっすぐさ、繊細さでした。
成長していく彼女を待っているはじめての体験たち。
紀子はそれら1つ1つに対していろんな思いを持ちます。
「青春」と言ってしまえばそれきりですが、2文字で表しきれないほどの葛藤だったり、苦しみ、悩みを僕らは読むことができます。

こういった苦しさや悩みって、みなさん通る道なのでしょうか?
僕はわりと覚えがある方です。
だから、紀子の話を読みながら、いつの時代も同じだったんだ、と思ってしまいました。

でも、僕だったらこんなに上手に文字に起こせません。
言葉にできないような繊細な心の変化、感情を物語で言語化してしまう森さんはすごいです。

繊細さについて考えてみた

この本を読んで、「繊細さ」について考えてみました。
紀子は、すごく繊細なのだろうと思います。

人よりも感受性が高いというか、なんて言うんでしょう。
他の人がスルーできることがスルーできずにいつまでも頭の中に残ってしまったりとか、思っていることがなかなか表現できなかったり。
僕もそんな気持ち、わかるような気がします。

でも、そうした繊細さって段々と無くなっていくような気がするんです。
この本の中で登場する物語は、ほとんど紀子の初めての体験であるような気がします。
例えば、初めての恋。
そして、初めての彼氏。

「初めて」ってとてもいいですよね。
全てが新しくて、新鮮。
そんな体験を目の前にして、戸惑ったり、悩んだりします。

でも、これが2回めになると、そんな新鮮さがだんだんと失われてしまう。
あれだけ輝いていた世界なのに、だんだんと解像度が落ちていくような感覚。

でも、繊細な人って、もちろん辛いこともあるだろうけど、それでも世界のことを解像度高く見ることができるという点では、羨ましくもあります。

と、そんなことを考えてみました。

もし興味あれば読んでみてください。

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